庭園

三種の庭園

山水園には、日本庭園の三つの様式「池泉庭園」、「露地」、そして「枯山水」があります。

山水園には、日本庭園の三つの様式「池泉庭園」、「露地」、そして「枯山水」があります。
池泉庭園と堀は大正中期に作られたもので、露地と枯山水は、昭和20年代後半に作庭されました。
この三つの庭園は、「連続していながらそれぞれが独立している」として、専門家より高い評価を頂いております。
マツやヒヨクヒバ等の樹木、クチナシやツツジ等の低木、ヤブコウジやヤブラン等の地被植物など豊富な植栽が四季折々の景色を作り出しています。

池泉庭園

山を借景として、中心に池を置き、自然の土地の起伏を生かして池の周りに回遊路が造られている回遊式庭園です。5つの入江と1つの島を持つ池は水に接する部分が長く、美しい表情を作り出しています。二つの滝から二本の温泉水の川が池に流れ込んでおり、温泉水のせいで池の鯉は冬眠することなく、一年中元気に泳ぎ、訪れる人々を楽しませています。
池のほぼ中央に架かる石橋は特徴的で、庭園のアクセントになっています。北側の入江には自然石と石橋を、南側の入江には飛び石を配して対岸に渡れるように造られています。

庭園の北側(池の上部)には「臨水」の名でお食事處として使われている離れ、臨水亭があります。池の南側には、数寄屋師・笛吹嘉一郎(うすいかいちろう)の設計・施工になる萬壽亭(まんじゅてい)があります。これは、京都桂離宮の四つ腰掛(卍亭)の写しです。

露地

露地は、外待合、砂雪隠、内待合、中門、梅軒門、つきあげ門、井戸、さらに枯れ流れまで備えた本格的な茶庭となっております。枯れ流れには沢飛石、流れ蹲(つくばい)、そして石橋が設けられています。
昭和20年代後半、笛吹嘉一郎が連れて来た、京都の庭師・後藤重栄の作庭で、庭石等の石材、垣のクロモジ、一部の樹木等は京都より運び込まれたものです。

枯山水

枯山水は、露地に続いて、後藤重栄により作られました。
数個の石と松等の植込みのある島と白砂から成る部分は、地面よりも低く造られているのが特徴的です。三方から小路をたどればそこへ下りてゆくことができ、それぞれ違った角度からの庭の表情が楽しめます。

敷地の南側(枯山水の角)に、茅葺きのいばらき門が設えられており、その二階洞雲は二畳中板の茶室となっています。
この門は、大和郡山にある慈光院の茨木門の写しで、笛吹嘉一郎の設計・施工です。
いばらき門からほどなく堀に架かる石橋(大正時代のもの)を渡り小路を辿ると露地に参ります。

環境へのこだわり

山水園は三方を山に囲まれ、まるで山懐に抱かれているように佇んでいます。
南東に開けた地形は、そこに生を営む動物や植物にとって、住みよい環境となっています。
緑はたくましく繁り、虫や野鳥もたくさんやってきます。
1936年にこの地で旅館営業を始めて以来、私たちは自然環境を大切に守ってきました。人間も他の動植物と同様にこの地球で生きています。
自然が失われてゆく中、少なくともこの地だけでも良い環境を残したいと考えております。

自然と共生――それが弊社のコンセプトの一つです。

自然環境を守ります
  • 環境にやさしい旅館を目指し、庭園の樹木には、病気の時以外できるだけ薬品を使いません。
    除草剤も使わず、草は1本1本手で抜いています。
    元気な植物は光合成を盛んにし、たくさんの二酸化炭素を吸収してたくさんの酸素を排出してくれます。
    そのために私たちは植物が元気に育つよう心がけています。
    そうして、人間を含め動物、植物が過ごしやすい環境を保っていきます。
温泉熱を利用します
泉源に恵まれた山水園は、温泉熱を利用することで、暖房と給湯を100%まかなっています。
化石燃料を使わないので二酸化酸素を出さないで済みます。